私たちはポスティング業者です。 日々様々なポスティングのご相談を頂いておりますが、ご納品を頂いたチラシを手に取った時に「・・・?」と思ってしまうデザインもたまにあります。 当然ながら、「ポスティングをすること」が弊社の直接的な商品でですが、その先にあるのはお客様の売上アップ・知名度アップといった「効果」が求められます。 ところが、「何の宣伝か分からない」「文字量が多すぎて何を言いたいのか分からない」「連絡先の記載がない」などといったチラシの配布に対して、「反響が出ないじゃないか!」「ちゃんと配ってるのか!」とお叱りを受けることもあります。 例えば1枚数円の配布料金であっても、お客様にとっては大切なお金です。 だからこそ、「ポスティングをやる意味があるデザイン」を突き詰めた上で計画通りに配布をすることが重要だと思います。 「●●が1,000円!」と書くのと、「●●が通常価格1,500円のところを、なんと特別価格1,000円!」とでは、手に取った人の「お得感」が大きく変わります。 この「お得感」がマーケティングにおいては非常に重要です。 潜在顧客にリーチする手段としてのポスティングは、少なくとも2015年現在数少ない「プッシュ型」のツールとなります。 インターネットに代表されるように、昨今は消費者が自ら望むものを探すという「プル型」ツールが多いため、消費者の各家庭に直接届けるチラシという手段の希少性は各業界で注目を頂いております。 そんなポスティングですが、せっかく届けたチラシが潜在顧客に「見る価値がない」と判断されてしまっては残念ながらゴミ箱に直行してしまいます。 ご家庭でポストを開けた時を思い出してみてください。 有象無象のチラシを仕分ける時、1枚に何秒かけますか?だいたいの方が1~2秒程度であるかと思います。 そしてこの「1~2秒」が勝負の明暗となります。 この壁を越えることで初めて潜在顧客の意識に残るのです。 私たちはこの壁の前まで皆さまをお連れしますが、この壁を越えられるかどうかは、皆さまの創意工夫に他なりません。 そのために世の中のデザイナーさんたちは日々知恵を絞っており、それで報酬を受け取っているのです。 なぜならその苦労には最大の壁を越える力があるからです。 もちろん、割引クーポンのような直接的「お得感」を提示するのも手です。 ですがそのクーポンが目に入るかどうかも、やはりデザインに負うところが少なくありません。 高級マンションなどの不動産チラシであれば「いかにこの物件がすばらしい生活をあなたに与えるか」を謳い、エステなどであれば「こんなにお手頃価格でこんなに美しくなれますよ!」と甘くささやき、塾・予備校などであれば「うちならお子さんをこんなに成長させます」と胸を張ります。 潜在顧客を顧客にするためには、「あなたは私になにをしてくれるのか?」を、どれだけ鮮烈にアピールするかという短期決戦かと思います。 繰り返しますが、ポスティングは壁の前まで皆さまをご案内します。 ですが、壁を越えるのは最終的に私たちではありません。皆さまの知恵とセンスが突破力の決め手になるのです。 確率論でいえばたくさん配れば反響実数は上がりますが、いわゆるコンバージョン率を上げてコスト削減をしようと思った時、武器は皆さんの頭の中にあります。そのとき、基本的に私たちは手足です。 私たちも汗水流して毎日チラシをお配りしていますので、1件でも多くの反響が出て欲しいと願っております。 ですがお客様の商品力と私たちの汗は、残念なことに案外リンクしません。 そこにお叱りを頂くとなかなか堪えます。 バブル景気の頃とは違い、家計が冷え込む中では「打てば響く」とはいかないものです。 配れば反響があるのは間違いないですが、大事なお金を費やす以上、「より魅力的なチラシ」をご検討頂く事が皆さまにとっての費用対効果を上げる最大の武器です。 判断基準は、皆さまがご家庭でポストを開けた時の気持ちです。 「お?」と思えるチラシなら壁の向こう側の世界に突入できます。 デザイン案を社内の様々な年齢層の方に見て頂き、素直な感想を聞いてみるだけでもだいぶ変わります。 なんならご家庭にプリントアウトをお持ち帰り頂き、ご家族に見せて感想を聞くのも大事な参考意見です。 そうした意識をお持ち頂くだけで、手づくりでも「いいチラシ」は確実にできます。 多少ご予算に余裕があれば、デザイナーさんにご依頼頂くのもよいかと思いますが、やはり「デザイン決定」を出す前に意識的にチェックをして頂くべきかと思います。 結局のところ、皆さまの商品・商材の最大の理解者は皆さまご自身です。 そのエッセンスをチラシに込めて、「まったく知らない人」である潜在顧客も1~2秒で「良さ」が分かるチラシが理想です。 デザイン決定をされる前に、もう1度だけチラシのデザインを見直して下さい。 1~2秒の壁を何枚のチラシが越えられるかは、その意識で大きく変わります。 そのチラシを持って、私たちは今日も汗を流します。 私たちは私たちにできる精一杯をご提供いたします。 だからこそお伝えします。 「そのチラシ、だいじょうぶですか?」